top of page

会長あいさつ

山口会長.jpg

 松浦宏之会長の後任として言語文化研究会の会長を務めることになりました山口です。当研究会の規約は、本会が「言語文化活動の促進・研究を目的とする」ことを定めています。

「言語」・「文化」―両方とも耳慣れた言葉であるかもしれませんが、これらの言葉を定義する段になると辞書的な定義に加え、各人各様の様々な解釈が出てきそうです。それはひとつには他ならないわたしたちの思考、そして文化活動において極めて重要な枠組みを構成している「言語」という媒体のもつ多面性から出てくるものであるといえるでしょう。本研究会は発足以来、人間の文化活動の多様性を認め、これを多角的に捉える視座に立って活動を進めて参りました。現在、文学、語学の研究者を中心として、教育、哲学、地域研究にいたるまでさまざまな分野を専攻とする会員を擁する、極めて学際的な研究会となっています。

 いわゆる「グローバル化」、「国際化」が喧しく叫ばれ進む一方、その傾向はこれとはまったく正反対の方向へと向かう不穏な動きの潜在性をも常に宿していることも忘れてはならないでしょう。通信技術、AI等、科学技術のめぐるしい発達、加えて感染症の拡大により、わたしたちの住む世界は今大きな転換点を迎え、その在り方を改めて問いかけられているように思われます。このような未曾有の状況の中、当会が引き続き言語・文化の本質を深く見極め、他者に真に開示された交流を希求する場であることを目指し、会員の皆様とともにさらに歩みを続けたいと思っています。

bottom of page